太陽と向日葵と大地と
繰る日も繰る日も
ただその笑顔を向ける向日葵
笑顔が見つめるその先にあるのは
不変の太陽で
そして
太陽と向日葵の関係もまた不変で
太陽は向日葵に光を与え
向日葵は恩恵を享受する
しかし
向日葵が太陽にむける想いは
決して受け入れられることはなくて
ただ
無情に
時が刻まれる
太陽の特別は
太陽の想いは
対極に浮かぶ月にのみあって
向日葵にあるのは
すべてに等しく平等の光だけ
けれど
向日葵には十分すぎて
光だけが
太陽だけが
向日葵の特別だった
光すらない時代を知る向日葵は
自分を明るく照らす太陽を
心から慕い
心から愛した
決して報われないと知りながら
決して気付かれないと恋情と知りながら
決して揺るがぬ現実を知りながら
それでも
決して揺るがぬ想い
一日が過ぎ
一月が過ぎ
一年が過ぎ
やがて向日葵が朽ち果てたとしても
相変わらず
太陽はそこにあり続ける
向日葵の望む姿のままに
向日葵が朽ちたとも知らずに
不変の太陽がそこにあり続ける
それが向日葵の望みなら
それが向日葵の想いなら
それが向日葵の愛なら
大地はすべてを許そう
報われぬ想いにその身が潰えた時
優しく
抱きとめてやろう
朽ちた体はこの胸に預ければいい
想いのうちに
朽ち果てればいい
乾いた涙に一縷の望みを託して
光なき大地の中で
再び出会う太陽に想いを馳せればいい
それまでは
この大地の腕に抱かれて
ゆっくりと
眠りにつけばいい
これは夏の終わりの物語
向日葵と大地の恋の物語
決して届かぬ物語
どこまでも悲しい物語
いちお。要らん解説。
太陽→ツナ
向日葵→獄寺
大地→山本
月→京子
の設定。
ツナ→京子 獄寺→ツナ 山本→ツナ とゆーなんとも報われない構図。
ちょっとばかしこの作品についての補足。
獄寺はツナが好きだけどその想いが報われないと知っていて。
報われないのは分っているけど諦められるようなものでもなくて。
悶々とした想いを一生抱いていて。
それこそ死ぬまで抱いていて。
もしかしたら・・・に懸けている。
山本も山本でツナのことが大好きで。
だけど報われないことを知っているから一途思うこともできなくて。
ツナが好きという気持ちごとどこかに封印した。
獄寺の姿はツナを好きな自分の姿。
自分の姿を目の当たりにしていたたまれない気持ちになる。
山本にとって獄寺を守ることは自分の気持ちを守ること。
だから山本は獄寺を包み込むように守る。
自分が傷つかないように。
宝物を守るように。
優しく何もいわずに抱きとめる。
けれど二人の間にあるのは愛などではなくただの共感。
報われない恋情を知ってしまったもの同士の掃き溜め的な関係。
哀れみとか、同情とか、慰めあいとか、同一視とか、そんな関係。
どっちにしたってハッピーエンドには程遠い。
ごめんね。
獄寺。
山本。
2005/某日
※こちらの背景は
NEO-HIMEISM/雪姫 様
よりお借りしています。