ここから先は『織姫牽牛伝説』を軸にしたパロディになります。
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鵲の渡せる橋







昔々。
それはまだ、天上界が信じられていた頃のお話。

天上界にはある働き者がいると専らの噂があった。
その者の名は沢田綱吉。通称ツナ。
彼の働きぶりは天上に留まらず、人間界にまで広まっていた。
彼が一体何の仕事をしていたかというと

「だから!俺はマフィアなんてやらないって言ってんだろ!?」
「おめーがやりたくなかろうがなんだろうが、仕事をさせるのが俺の仕事だ。
 諦めてさっさと働け」

天上界を統一するマフィアのボスだった。
何の因果か天上界には荒くれ物が多い。
ほおって置いたらそこかしこで抗争が勃発する。
その余波は人間界にも容赦なく降り注ぐ。
だからこそ統一者が必要だった。
これまでは前任の9代目が全てを取り仕切っていたのだが
ここ数年、体調を崩す回数が増え引退が叫ばれていた。
そこで大抜擢されたのがツナなのだ。

「マフィアの仕事なんてこれっぽっちもわかんないよ!」
「安心しろ。俺が一から体に叩き込んでやる」
「ぅぁぁああああっ!!9代目も何でリボーンを寄越すかな?」
「なんだ?XANXUSの方がよかったか?何なら今から交替してもいーぞ。
 まぁあいつは10代目の座を狙ってるから俺以上のスパルタは必至だぞ」
「うそです!!嘘です!リボーン様!補佐をお願い致します!!!!」

そんなこんなで。
ツナはボスの座を引き継いだのだが
そのバックには影の統一者がいることはあまり知られていない。
ツナ自身、自らの保身のために仕事に勤しんでいることはまた別のお話。


リボーンのサポートがあることを差し引いても、ツナは優秀な後継人だった。
血筋がなせる業なのか、彼自身の素質なのか、それは誰にもわからなかったが
抗争の数は激減した。激減させられたといっても過言ではないが。

「・・・また?最近多いね?」

報告書を受け取ったツナはざっと目を通し、思ったままを口にした。
ここ最近、抗争派の連中がこぞって廃業に追い込まれている。
もともと争いを嫌うツナだったからこれほど望ましい状況はない。
しかしここまで続くと不気味な節さえある。

「まさに人徳の成せる技だな」

人徳?そんなものに思い当たる節も無い。
基本的に自分は怠け者で出来損ない。
その代わりに周りには優秀なのがごろごろいる。
そういえばここのところやたらと幹部のやつらが戦地に出ている。
もしかしてあの人たちが力づくで潰してるんじゃないだろうなぁ。
嫌な予感を感じて、無駄だと思いつつも問う。

「・・・・・リボーン、なんか知ってるだろ・・・?」
「さーな」

含みのある笑いを隠すように帽子を顔にずらすとソファーに体を横たえた。
起こすな、のサインだ。
無理に起こそうとすれば問答無用の銃撃が降り注ぐ。
問い詰めたい気持ちはあるのだが命は惜しい。
仕方なくこの問題は考えないことにした。
やらなくてはならないことは山ほどあるのだ。
気持ちを切り替えると溜まった書類の山に手を伸ばした。



そんなある日。

「・・・・・結婚・・・・?誰が?」

突然舞い込んだ話に怪訝な声を上げたのはツナ。

「お前以外に誰がいるってんだ」

何でも9代目が俺の日ごろの功績をねぎらう反面
仕事仕事で出逢いがないことを嘆いているそうだ。
今は比較的抗争も落ち着いているし、適齢期としても絶好のタイミングである。
そこで持ち上がったのがこの結婚話らしい。

「そんな事言ったって、恋人だっていないのに誰と結婚するってのさ」
「その辺に関しては9代目が人間界のやつを紹介したがってるぞ」

こいつだ、そういってリボーンは一枚の写真をこちらに放ってきた。
なんだか今日のリボーンはいつもよりピリピリしてる。
機嫌が悪いのだろうか?
正直結婚なんてしたいとも思わないけど、この場で断って厄介ごとになるのも面倒だ。

「・・・わかった。今からその人に逢って来る」

写真に目をやることもせず懐にしまいこんだ。
先に見て気が萎えると逢うのが億劫になる。

「でも、結婚するかどうかは俺が決めるよ?それくらいはいいだろ?」
「・・・・ツナ・・・・」
「それじゃ、行ってくるね」

相変わらずピリピリした空気を纏うリボーンの横を通りすぎようとした。
その時。

「ツナ」

後ろから抱きすくめられた。

「・・・リボーン・・・?」
「・・・嫌なら、行かなくてもいいんだぞ?9代目には俺が話す」
「どうしたんだよ?無下に断ったら要らない敵を作るって教えたのはリボーンだろ?」
「・・・・・くっ・・・・」

より一層、リボーンの腕に力がこもる。
ツナはその腕にそっと手を添えた。

「すぐに戻るよ」
「・・・あぁ・・・」

ゆっくりと、リボーンの腕から力が抜けていく。
完全に開放されたところでツナは歩き出す。
リボーンの行動にどんな想いがあったとしても、俺はそれに答えない。
それが俺の自分に架した条件だから。
自分の意思を曲げることをリボーン自身もよくは思わないだろう。
だから俺たちの関係はいつまでも家庭教師と生徒でいられるのだ。

「行ってきます」

後ろ手に扉を閉め、詳細を聞くべく9代目の部屋へ足を運ぶ。









異常に長くなる予想。

おかしい。短編を数本UPする予定だったのに・・・。

短編がリンクし始め1本の長編に。

初めはリボツナ(ツナリボか?)でございます。

といっても殆どからみないけど。

序章ってことで勘弁してください。



タイトルの鵲(カササギ)は七夕由来から取っています。

何でも、7月7日に雨が降ってしまうと織姫と彦星は天の川を渡れない。

そんな悲しむ二人を哀れんだカササギが集まって

二人をつなぐ架け橋になってくれるのだとか。

タイトルが今後の伏線になるかどうかはさかきにもよくわからない(おい!)

2008/07/07





※こちらの背景は NEO-HIMEISM/雪姫 様 よりお借りしています。




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