2008年10月27日発売号 扉絵より
妄想 白骸→ツナ
よたよたとおぼつかない足取りの男を引き連れて、白髪の男がにこにこ笑いながら浮かれ声を上げる。
「骸クーン。次メイプルシロップ買いに行くよー」
「・・・・・・・なんでこの僕がこんなことを・・・・・・」
ぶつくさ文句を吐きながらも律儀に荷物持ちを運ぶ長髪の男。
抱えきれない程の荷物を無理やり抱え、右に左に体が揺れる。
連動して彼の長い黒髪が背中ではたはたと跳ねた。
文句を言う本体に反して、楽しげだ。
見え隠れするギャップについ笑ってしまう。
「どーせ世界各国に『契約』してるのがいるんでしょ?それに任せればいいのに」
「・・・・・・僕の意識は飛ばせますけど物は運べないんです!!」
「あ、そーなの?クスクス」
それくらい知ってる。
『契約者』にコンタクトすら取れないように枷をつけているのは、この僕。
特殊な加工を施したリングが彼の能力を封じ込めている。
分かっていて知らないフリ。
それが彼も解かっているから”当たり前”の返答を返す。
忌々しげに、例のリングを僕によく見えるように掲げて。
「第一、そんなに簡単に出来たらさっさとボンゴレの所に行っていますよ」
それが彼の本音。
今ここにいることすら本意ではないのだ。
彼はただ、彼の仕事をしているに過ぎない。
すなわち。
僕の監視、および10年前のボンゴレへの干渉をさせないため。
元々はそんなことは彼の仕事ではなかったはずだ。
しかし狂った歯車がそれを許さない。
僕の能力を知った今、彼は自らの考えで僕のストッパーになったのだろう。
全ては、あの男のために・・・。
「・・・・・そんなに気になる・・・・?」
「彼は僕の標的ですからね」
名前なんて言わない。
それでも彼には通じてしまう。
彼の心にあの男がいるから。
忌々しい。
死してなお、彼の心を縛るのか。
リングなんてなく。
ただ、一つの約束だけで彼を捉えるのか。
なんて
忌々しい・・・。
ならいっそ、彼の前で壊してしまおうか。
あの男を。
彼が心惹かれてやまないあの男を、もう一度。
あの男の、過去すらも奪ってやろうか。
「じゃぁ、次は日本にでも行こうか」
「ほぅ?随分と余裕じゃないですか。総大将?」
訝しげな表情の彼。
何を企んでいるのかと僕の表情を伺っているのだろうけど、そんなことさせてあげない。
「八つ橋食べたいし!」
「・・・・この期に及んで、まだ食べる気ですか!!」
「うちの胃袋はこんなんじゃまだまだ満たされないの」
「・・・・・・・はぁ・・・・・。ほら、さっさと行きますよ白蘭」
「お、珍しく骸君が乗り気だv」
「カナダ経由で日本に行くのにどれだけ時間が掛かると思っているんですか」
「はいはい」
荷物を抱えなおして骸が先行する。
一秒でも時間を惜しむように。
10年の時を遡ってこの時代に現れたあの男に想いを馳せて。
知ってるよ。
君はあの男のところに帰りたいだけなんでしょう?
でも。
悪いけどそれは叶わない。
叶えなせてあげない。
あの男は、僕が殺してしまうから。
沢田綱吉。
骸君は渡さないよ。
ボンゴレリングも俺が頂く。
君には何一つ残してあげない。
塵一つだってね。
君の未来も過去も、全て奪ってあげる。
俺は究極権力を手に入れて、君に成り代わる・・・
扉絵1枚で妄想できる自分。
しかも白蘭の口調よくわからない!
そもそも1人称「うち」?「僕」?
なんかテキトーに織り交ぜて書いてしまった。
でもダークな考えのときは「俺」って言いそうな気がするんだよね。
ともかく。
うちのサイトの初白骸でした。
お粗末さまです。
・・・・・・・・・・・無節操さに拍車のかかるCPだな・・・・・
2008/10/28
※こちらの背景は
ミントblue/あおい 様
よりお借りしています。