ヒバツナでお笑い芸人『しずる』パロ






「綱吉・・・・君、自分で何したかわかってるの?」

肩をがしりと掴んだ雲雀の手を、ツナは乱暴に振り払った。
そっぽを向くとうつむき加減に小さくつぶやく。

「・・・ほっといてくださいよ・・・」
「放って置けるわけないでしょ。いつからそんな人間になったんだい」
「・・・・・・・・」
「教えてよ。何でこんなことしたの」

こちらを見ようとしないツナを雲雀は強引に腕を引き向きを変えさせた。
目を覗き込もうと再び肩口を掴もうとしたその時。
ぱしん
平手打ちが飛んできた。

「ヒバリさんには関係ないじゃないですか!」

声が震えている。
人を傷つけることを極端に嫌う綱吉が思わず手を出してしまうほどに動揺している。

「・・・・・教えてよ・・・・なんで、なんで二度書きなんてしたんだい!」

胸ポケットから取り出した一枚の半紙。
そこには『友』の一文字が大きく書かれていた。
しかしよく見れば最後の一画、払いの部分が変にゆがんでいた。

「俺だってこんなこと、ホントはしたくなかったんです!」
「だったら何で・・・」
「・・・・・仕方ないじゃないですか・・・・」

小さな小さな声で、ツナはその訳を話し出した。
しかし雲雀はその言葉だけで理解することはできない。

「どういうこと?」
「・・・・なかったんです・・・」
「無かった?一体何が」
「道具箱開けたら、あるはずの文鎮が無かったんです!!」

感情的に叫ぶ綱吉の言葉に、流石の雲雀も動揺を隠せない。
それもそのはず。
文鎮も無く習字に挑むなど無謀にもほどがある。

「!?・・・綱吉・・・きみ、まさか文鎮なしで習字に望んだのかい・・・?」

雲雀の問いかけにこくりと一度うなずく。
ほんの少しの時間を置いて
自らをあざけるようにツナは笑い出した。

「・・・そうですよ。ふふ、笑っちゃいますよね。
 文鎮が無いばっかりに半紙が不安定で払うものも払いきれず
 気づいた時には・・・・・・二度書きしていたんです」
「・・・そうだったのか・・・・」

ここまで一気に話してしまうと冷静さを取り戻したのか
ふぅと大きく息を吐き出し、落ち着いた様子でふんわりと笑った。

「俺、先生のところ行ってきます。ちゃんと謝ってきます」

意を決して自らの罪を償うべく、くるり踵を返して職員室に向かおうとする。

「待ちなよ綱吉!」

それを呼び止めたのは雲雀。

「ヒバリさん?」
「君の文鎮ならここにあるじゃないか」
「!?ヒバリさん!?」
「僕が君の文鎮になるさ」

その場に体を横たえる雲雀に、今度はツナが動揺した。
この人の行動はいつも突拍子も無くてわからないことが多いけどでもこれだけはわかる。
今雲雀はツナのためにプライドも何もかもかなぐり捨ててくれている。
それだけでツナは泣きそうなほどうれしかった。

「・・・・・・・っひばりさん!!まさか俺の文鎮の代わりに!?」
「これで紙がずれる事なんて無いだろう?さぁ、早く書きなよ」

格好もつかない体勢で、雲雀はとてもいい笑顔を俺に投げかけた。
その顔があまりにも素敵だったから、ツナはその異常さに気づくことも出来なかった。
ツナの胸に溢れているのはただただ雲雀に対する感謝の心。

「ありがとうございます!ひばりさん!!・・・っ!?」

ぐぃと、横たわる雲雀の体を持ち上げようとしたがびくともしない。
何度かがんばってはみたが、ツナの腕力ではどうにもならなかった。

「どうしたの?」
「重くて・・・持ち上がりません」
「ふふ。当たり前さ。この文鎮の重さは君を想う僕の気持ちの重さだからね」

こみ上げてくる涙をツナは止めることが出来なかった。

「ひばりさぁ〜ん!」
「綱吉!」

ひしと抱き合う二人。
その友情を疑うものは誰もいなかった。

「その後、綱吉は僕という文鎮を使って二度書きすることなく
 『親友』の文字を書き上げ、僕にプレゼントしてくれた」

雲雀がうれしそうに掲げた半紙。
そこには二人の合作として、ツナと雲雀の名前が記されていた。

(台詞はうろ覚えなんで違う部分もあると思われます。
 ト書きは完全に捏造です。ヒバツナ風に改変しました。)









 こんなヒバリさんは嫌だ!

え?そうでもない?さかきの文才では

しずるのかもし出す暑苦しさを1割くらいしか表現できてない気がするよ。

がってむ!

2008/07/05





※こちらの背景は 空に咲く花/なつる 様 よりお借りしています。




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