骸ツナでお笑い芸人『しずる』パロ
「こんにちは〜あさりーずで〜す」(センス無いってゆーな!)
「・・・・どうも・・・・」
二人そろって登場。
しかし骸はなぜか元気が無い。
そうはいっても舞台が始まってしまえばそんなことに気を使ってる暇はない!
ツナは気張って挨拶を開始した。
「俺があさりーずの沢田綱吉で〜す!そしてこちらが・・・・・六道!挨拶! えーこいつは六道骸です!はい。よろしくお願いしますね」
挨拶すらもしようとしない骸にちょっとだけいらいらしながらも、ここは舞台の上だと気を落ち着かせる。
よくみればマイクの高さが前の芸人さんに合わせたままになっている。
このままじゃ喋りにくいし、高さを調節しなくっちゃ。
調節ねじをくるくると回しマイクスタンドを引き上げる。
よし、これでぴったりだ。
さてこれからコントを開始するぞ!と意気込んだところに思わぬところから横槍が入った。
「ちょっと。漫才ストップしてください!」
「え?これからでしょ。どうしたのさ?」
「これ」
見れば骸のヘアスタイルがぐしゃぐしゃに乱れていた。
控え室を出たときはばっちりパイナップルを決めていたのに・・・・
どうやらさっきツナがマイクスタンドを直している間に自らお気に入りの髪型を崩したようだ。
「は?何ぼさぼさにしてるの?早く直しなよ」
「直しなよ、じゃないですよ綱吉君。君が直してください」
「俺が直したらおかしいだろ!?」
「君は僕の相方でしょう?だったら早く直してください」
「何言ってるんだよ。直せるわけ無いだろ!」
「じゃぁ!!君はこのマイクは調節できて、僕の頭は直せないというんですか!?」
真顔で骸はツナに問い詰めてくる。
ツナはむしろこいつの頭の中を治してやりたいと思った。
いや、治る位ならもうとっくに手を打っているだろう。
つまりはこいつの頭はもう手遅れなのだ。
・・・・・俺、何で骸とコンビ組んでるんだろう・・・・
ともかく今はステージの上。
舞台を壊さないようにこいつに付き合うしかない。
「俺はマイクの高さを調節しただけだろう?」
「マイクの調節をするくらいなら、僕の髪型の調節をしてください!!君は僕の相方なのでしょう!?」
「はぁ!?」
骸の思考回路についていけずに目を白黒させていると骸がこちらをきっ、と見据えて言い放った。
「こんなこと、ホントは言いたくありませんが言わせてもらいますよ。
僕、三八マイクに嫉妬しています!」
「(何言っちゃってんのこのひと〜〜!!)そんなのいいから、早く漫才始めるよ!」
「無理です。無理無理、ぜーったい無理!!」
「何言ってるのさ、ここ舞台の上だよ!?」
「だって綱吉君、マイクに向かってるんですもん」
「マイクに向かうには主流でしょ?そーしなきゃ声はいんないし・・・・」
今更そんな初歩的なこと突っ込まれたって、どーしたらいいんだよ!
とにかくツナは相方によって追い込まれるという最悪のパターンに苦しめられていた。
どうしたらいいのか考えあぐねていると、骸はある一つの結論にたどり着いたようだ。
驚愕の顔をこちらに向けてきた。
「ま・・・・まさか綱吉君・・・・こいつ(三八マイク)に気があるんですか!!!???」
「そんなわけあるかーーーーっっ!!」
今までに無い切れの良さを持った突っ込みが会場にこだました。
「あぁよかった。そうですよね。綱吉君は僕にぞっこんですものねvv」
「・・・・・・・もう何とでも言え・・・・」
「それでは」
「へ?」
骸はおもむろにツナの肩を掴むと、ぐるり体を回させ向かい合う形に変えさせた。
「このまま漫才を始めましょうかv」
「こんなの見たこと無いよ!!」
「今までになければ僕らが新しく作ればいいんですよ。ボンゴレスタイルですよvv」
「ダサいよっっ!!」
「ボンスタって言ったらちょっと格好よくないですか?」
「格好よくもないし流行んないよ!」
「そんなのやってみなくちゃわかりませんよ」
「おーしわかった。じゃぁやってみよーよ!」
売り言葉に買い言葉、骸の言葉に乗せられるままツナは新たなボンゴレスタイル(以下ボンスタ)なる立ち位置で漫才をすることになった。
このボンスタは二人がマイクの後ろで向かい合わせで立ちお客さんの方を全く見ないという斬新なものであった。
二人でお互いの顔だけを見つめるこの上なく恥ずかしい立ち位置でもある。
「はーいこんにちは。あさりーずの沢田綱吉でーす」
「六道骸でーす・・・・・・・・綱吉君、そんなに見つめないでください///」
「照れるなっっ!!」
顔をほのかに紅く染めた骸がきゃ〜っと黄色い声を上げる。
自分で言っといてなんて疲れるやつなんだ・・・
「六道!!いい加減マイクの方向きなよ!」
「ちょっと。綱吉君。そのマイクって呼び方辞めてください」
「何でだよ!」
「下の名前で呼ばないでください!僕のことですら呼んでくれないのにずるいですよ」
「・・・・・下の名前?」
「三八マイク」
「それ名前じゃないし!!ただの固有名詞じゃん!?」
「三八マイクを下の名前で呼ぶというなら、僕のこともちゃんと名前で呼んでください!」
「何でだよ。六道でいいじゃん!」
「ダメです。むくむくって呼んでください」
「何で二個つなげちゃうわけ!?」
「ツナツナはむくむくって呼んでくださいvv」
「もぉいいじゃんそんな事。早く漫才始めようよ・・・・」
不毛なやり取りにツナは既に疲労困憊。
そんな様子を見て取ったのか、骸は声のトーンを下げキツイ口調で話し出す。
「貴方も貴方ですよ。さっきから黙ったままで。何とか言ったらどうなんですか」
「ちょ!今度は何マイクにあたってんのーーーーっっ!!」
「貴方のせいですからね。ツナツナがこんなにも疲労しているのは!
優しいツナツナの代わりに僕がお仕置きしてあげましょう。この!この!」
最早乱心された(と思いたい)骸は、あろうことか三八マイクを叩きだしたではないか。
マイクテストとかそんなレベルじゃない。
本気だ!
てゆか、瞳の文字が四になってる!
修羅道の格闘スキルーーっ!
「何してんだよ!マイクにあたらなくってもいいだろっ!」
骸を力いっぱい突き飛ばし、マイクと骸の間に体を滑り込ませた。
マイクが破壊されるようなことだけは避けなくっちゃ!
「・・・・・ツナツナ・・・・・マイクをかばいましたね!?」
「機材壊したら怒られるだろ。いい加減にしろよ!」
「・・・・・ツナツナは・・・・僕の知らないうちに変わってしまったんですね・・・・」
「もーホントお前分けわかんないよ」
「孤独です!僕の本体は今も復讐者の牢獄の中で一人ぼっち・・・・・僕は孤独でーーすっ!」
「ふざけるのもいい加減にしてよ!いいから漫才やるよ」
「無理無理無理無理無理無理む〜り!君がマイクに気がある以上無理です!
いっそマイクと漫才やったらいいじゃないですか(ぷいっ)」
「いいんだな?俺マイクと二人でやるぞ」
「えーどうぞ。やれるものならやってみたらいいじゃないですか」
骸の身勝手さにほとほと愛想の尽きたツナは
単身(骸いわくマイクと二人)で漫才を決行する決意を固めた。
マイクと二人なんて言ってみればピン芸人と同じこと。
ソロ活動できるように一人用の漫才だってストックはある。
やってやる!
骸がいなくったって一人で舞台を成功させて見せる!
どのネタにしよう・・・・!そうだこの客層ならきっとアレがいい。
改めて仕切りなおしをするべく、挨拶から入る。
「改めましてこんにちはー。あさりーずの「ホントにやるとは思いませんでしたよ!」
「お前がやれって言ったんだろっ!」
あ〜〜っっ!なんて手の掛かるやつなんだ!
「六道!もう時間ないから早くやろ?な?」
「・・・・じゃぁ、三八マイクよりもむくむくが好きだって皆に教えてあげてください」
「・・・・そうしたら漫才やるんだな・・・・?」
骸は静かにうなずいた。
正直むくむくとか呼ぶの心底嫌だ!
でも背に腹は変えられない。
「え〜、俺は、三八マイクさんより、むくむくの方が好きです!」
「ちょ・・・・もぅ・・・綱吉君たら・・・・・愛の告白は場所を選んでくださいよ/////(照)」
「お前が言えっていたんだろが!」
この舞台が終わったらコンビ解消してやる。
ひっそりと心に決意を固めた。
「さ、これでいいだろ。漫才始めるぞ」
「まだです」
「(まだ何かあるの〜〜っ!!)今度は何だよ」
「ちゃんと三八マイクにさよならをしてください。
そこをちゃんと見届けないとまた浮気をされるんじゃないかと気が気じゃありませんからね」
「お前とさよならだっっ!!!」
「「どうもありがとうございました〜」」
(今回は台詞も細かいところを変えさせてもらいました。
そのままより骸の編態度・うざさが際立つように改変したつもりです。
ト書きとか捏造にもほどがあります。)
実際こんなやついたらどつく位じゃすまさないとおもうよ。
それにしてもうちの骸はなんて変態要員なんだ。
そしてこの無駄に長いかんじ。
ちかれた。
2008/07/06
※こちらの背景は
空に咲く花/なつる 様
よりお借りしています。