〜相反する想い〜
これ書いたのたぶん2005年のとき。(古っ)
胸にわだかまるこの感情の名は愛。
かの人へ捧ぐ想いの崇高にして高尚なる敬愛の念。
言葉にすることは何よりも簡単で。
想いを告げることは何よりも単純で。
けれど
この想いを貴方に告げることはありません。
全てこの身に閉じ込めます。
俺は臆病だから。
俺は現実を知っているから。
決して貴方に想いを遂げはしません。
決して叶ってはいけないものだと知っています。
貴方の傍に居るためにはこうするしかないのです。
臆病で無力な自分を今ほど憎んだことはありません。
たった一つの可能性のために俺は足踏みしました。
貴方は笑うでしょうか。
俺を蔑むでしょうか。
たとえどのようなものであったとしても貴方の下す決断ならば俺は貴方に従います。
従わざるをえません。
貴方の命だからではなく。
俺自身が貴方に従うと決めたから。
けれど
もし
もしも
貴方が俺を受け入れてしまったら
貴方が俺を許してしまったら
貴方が俺を拒絶してくれなかったら
俺は貴方の傍に居続けることすら叶わない。
貴方が俺を許そうとも全てが俺を否定するでしょう。
枷としてすら俺は存在を許されない。
だから俺は
ささやかな幸せを守る為に最大の幸福を捨て去ります。
貴方の隣に居られるだけで充分なのです。
この手で貴方を守れるならば他に何を望む必要がありましょう?
できるならば
貴方の幸福も守りたかった。
守れるものなら守らせて欲しかった。
叶わぬ夢です。
なにもかも気付くのが遅すぎた。
せめて貴方が無関係なら
せめて俺が無関係なら
出会うことも無く互いに何も知らずに人生を終わらせることもできたのに
結局俺と貴方は出会ってしまった。
貴方に出会えた事を俺は心から呪います。
あまりにも偶然が重なり過ぎた。
俺は普通とは無関係の生活をしていて
貴方は異常とは無関係の生活をしていて
出会う可能性なんて限りなくゼロに近かった
顔を合わせることも
声をかけることも
なんの関わりも持たずに生きていくことだってできたはずだった。
貴方を知らなければ
貴方と出会わなければ
こんなにも貴方を求めることも無く
こんなにも貴方を求める気持ちを偽ることも無く
叶わない恋情を知らずに済んだ。
せめて
せめて
せめて
責めて
責めて
骨の髄まで俺を責めて
立ち直れ無くなるくらいに
二度とこんな気持ちを抱かなくなるくらいに
貴方との出会いを後悔するくらいに
嘘でもいい
言ってください
たった一言でいい
俺に終止符を
貴方のその唇で言葉を紡いで
俺を止めてください
ささやかな幸せを俺に下さい
そっと
俺の耳元でささやいて
愛の言葉にも似た優しい言葉を
『嫌いだ』と──
たった一言でいいから。
貴方を諦めさせてください。
一時期ケータイでサイトやってたときに書いたやつだったり。
古いけどけっこー気に入ってるやつなのでアップ。
獄→ツナで書いたもの。
さかきが書くといつも×ではなく→になってしまうミステリー。
これは友人の恋愛を見てて書いたもの。
周りがみていて痛々しくなるくらいの恋をしていた子がいましてね。
一途な恋が必ずしもよいものではないと
それによって犠牲になってしまうものがあり
頭では分かっているのにもう引き返せなくて。
諦めることで報われることもあるんじゃないかな、と。
そんな思いをこめて書いた。(・・・はず;)
幸せになったほしくて書いたのになんかダークな雰囲気。
ハッピーエンドはどこにある。
2005/某日
※こちらの背景は
NEO-HIMEISM/雪姫 様
よりお借りしています。