年齢逆転パロですよ!
これは雲雀17歳(高2)、イーピン27歳(院1)のお話になります。
苦手な人はUターンしてください。
おkな方はスクロールでおすすみください。↓↓↓
「あ、それ食べていいよ」
と、彼女が部屋から出ていきがてらに言った。
彼女の視線はすでにお風呂に向かっていたわけだが、ソレが何を指し示しているのかは一目瞭然だった。
机の上にはコンビニ袋が無造作に置かれていた。
中を覗けば、時期柄当たり前というかなんというか、恵方巻きが2本鎮座している。
あとは炒り大豆、明らかに子供向けと思われる赤鬼のお面。
よくよく漁ってみると、今年の恵方を書き記したチラシに加えてちゃちい造りのコンパスまでもが入っていた。
こういうイベントに疎い彼女にしては周到すぎる準備の用の思えて違和感すら感じた。
薄い扉を隔てた向こう側でシャワーの音がする。
最低気温が連日氷点下を記録しているこの時期でも、彼女はシャワーで済ませてしまう。
一人暮らしってそういうものなんだろうか?
よく分からない。
こたつに足を突っ込んで、彼女が出てくるのを待とうかどうかほんの少しの間考える。
時間にしたら10分もせずに出てくるだろうが・・・・・・。
考えた結果、僕はテーブルの上の食料に手を伸ばした。
二人して同じ方角を向いてただ黙々と巻き寿司を食べる絵などシュール過ぎる。
中身が若干違うようではあったが、彼女は特に気にしないだろう。
僕もこだわりなどなかったので特に内容を確認もせずに、手前にあった方を引き寄せパッケージを開ける。
どっしりとした重量。
なかなかの太さのさのそれを一口かじる。
味は、まぁ・・・・・・こんなもんだろう。
コンビニクオリティーに過大な期待をする方が間違っている。
さて、二口目。
そういえば、黙って食べきらないといけないとか変なルールを付加させたのはどこの誰なんだろう?
三口目。
あれ?黙って食べるのはいいとして、これ食べている間に他のもの口にしてもいいんだっけ?
四口目。
ダメだとしたら、きっと変なルールを作った人物はよほど誰かを憎んでいたに違いない。
五口目。
絶対に喉詰まらせて死んだ人いるよねこれ。
むしろ誰かを殺したくて、わざと間違ったルールを敷いたとかそういう類の奴じゃない?
六口目。
ぶっちゃけもう味に飽きてきた。
七口目。
・・・・・・・・・。
「馬鹿馬鹿しい」
こんなものを食べたからと言ってどうなるというのか。
食べるだけで幸せになれるなら人生苦労しないさ。
巻き寿司を放り出して机に突っ伏す。
風呂場から聞こえていたシャワー音が止んだ。
程なくして彼女が出てくるだろう。
「・・・・・・」
仕方なく僕は再び口に巻き寿司を突っ込んだ。
もくもくと小さく租借を繰り返す。
ガチャリ
体にタオルを巻き付けて、彼女が風呂上がりの姿態を晒す。
着替えくらい持っていけばいいのに。
持っていったところで、1Kのこの部屋では廊下で着替えることになるのだから意味がないと言えば意味はないのだが。
「や!・・・・・・なんでこっち見てるかなぁ」
僕の視線に気づいた彼女が心持ちタオルを引き上げた。
「でもまぁ、しゃーないか」
ものも言わずにもくもく租借を続ける僕を一瞥し、諦めたように溜息を一つ。
手早く濡れた頭にタオルを巻き付け寒い廊下から、そこよりかは幾分暖かい居間兼寝室、つまりは唯一の居住スペースに移動する。
途中、冷蔵庫から缶ビールを一本取り出したことにはこの際目を瞑る。
彼女は飲酒を咎められる年齢でもない。
アルコールくらい好きに摂取すればいい。
廊下と居間までの短い距離の間でプルタブを起こし、早速一口煽ったことには、僅かに眉をしかめてしまう。
この寒い中、よくそんな冷たいものを飲む気になるものだ。
夏場であればこのままくつろいでしまうこともあるのだが、この時期にそんなことをすれば間違いなく風邪を引く。
幾ら彼女でもさっさと部屋着に着替えるだろう。
クローゼットから下着を取り出し手早く身に付ける。
濡れたタオルはハンガーに引っかけ部屋の隅っこに吊しておく。
冬の乾燥対策なのだそうだ。
日々の乾燥を思えば焼け石に水という気がしないでもないが、敢えて言及はしないでおこう。
怒らせるといろいろと怖いことは身を持って知っている。
次いで彼女は室内を移動し、ベッドの上に投げ出した部屋着に袖を通し──
「時にヒバリ君?」
「なに?」
「何でこっち見てるのかな?」
「イーピンサンがそっちにいるから」
「・・・・・・恵方巻きの食べ方、知ってるかな?」
「知ってるに決まってるでしょ」
「だったら、よそ見してないでさっさと向こう向く!そして喋らない!!」
「やだよ」
きっぱり言い切る。
そして彼女は絶句する。
僕はようやく最後の一口を口に押し込んだ。
「僕の吉方は君が居る方角だから」
ごちそーさま。
ぺろり、唇を舐める。
ついでに視線で彼女を舐める。
彼女が「バカ!」といって投げつけた枕を、僕は甘んじて顔面で受け止めることにした。
まんぷく、がんぷく
年齢逆転パロのヒバピン。
雲雀高2、イーピン院1あたりをイメージ。
年下雲雀は基本エロいことしか考えてないですね。
残念な男です。
そしてピンもそれを割と当たり前と受け止めている。
赤面もせず冷静に対処しちゃうあたりが大人です。
それが年齢逆転パロに置けるヒバピンのあり方です。
2012/02/03
※こちらの背景は
NEO-HIMEISM/雪姫 様
よりお借りしています。