ガハハハハ!ランボさんもイーピンと遊ぶんだもんね!
なんて言う声とともにもじゃもじゃ頭の良くわからないのが飛び込んできて。
勝手にずっこけて。
が・ま・ん・・・・・・・・・くぴゃぁぁぁっっ!!!と勢い良く泣きはじめ。
もじゃもじゃ頭のどこに仕込んでいたのか、取り出した大振りのバズーカ。
発射の直前手を滑らせたのだろうか。
あ。
なんて間抜けな声を聞いた気がする。
こちらに向かって飛んできたそれに、彼女が被弾した。
──ボンッ!
空気が破裂するような音とともに当たりが煙に包まれた。
(またか・・・・・・)
そう思えるくらいに、目の前で起こっている現象がどういうことなのか理解したつもりだ。
原理のほどはわからないが、ようは、幼い彼女が10年後の彼女と入れ替わるらしい。
よって、この煙が晴れた先には10年後の彼女──僕と同じ15歳の彼女がいるはずだ。
膝の上に、5歳の彼女とは違うずしりとした重みを感じた。
まだ煙は晴れないが、中にうっすらとした人影が見える。
腰掛けているソファーから落ちないよう、腰辺りに手を添え──ようとした。
しかし、それよりも早く。
煙の中から伸びた彼女の手が僕の襟元を引き寄せ、勢いのまま唇が押し当てられた。
突然の彼女の行為に、さしもの僕も困惑する。
「っ!?・・・・・・ん、ふぅっ・・・・・・!」
「ん・・・・・・」
情緒の欠片もなく締め上げるように捕まれていた襟首の手はするすると剥がれ、代わりに首に絡められた。
呼吸の合間、彼女は囁くように「ヒバリさん・・・・・・」と漏らす。
その声があまりにも扇状的で。
普段覚えないようにしている欲が背中を走った。
何度か角度を変えて押し当てられた後、膝を跨いでほとんど馬乗りになっていた彼女がぺたりと腰を下ろす。
「っは・・・・・・随分、積極的じゃないか」
「・・・・・・え?」
解放され、唇を拭ったところで彼女を見ると、不思議そうな目で僕を見ていた。
「あれ?ヒバリさんが・・・・・・幼い・・・・・・」
「君と同い年のはずなんだけど?」
「やっ!そういう意味じゃなくて」
わかっている。
彼女にとっては10年後の、25歳の僕が当たり前。
それと比べてしまえばかなり幼く映るのだろう。
先ほどの口づけも、彼女にとっては10年後の僕にしたもの。
ほとんど事故と言っていいレベル。
今更、気にするほどのことでもない。
「ところで、さ」
「はい?」
「その格好、誘ってるの?」
膝の上にある彼女の足を撫でる。
短いスカートから覗く細い素足。
上半身は薄い白のブラウス一枚、その下には濃い色のブラジャーが透けて見えた。
いつもならきっちり衣服を整えている彼女にしては珍しく、ボタンが2つ3つ外れて胸元が甘くなっている。
質問には答えず、彼女はうっすらとした笑みを浮かべ。
僕は対照的に背筋が寒くなる。
いや、衣服だけではない。
上気した頬も。
高い熱を持つ指先も。
膝の上に感じる体温も。
(・・・・・・これは、マズい・・・・・・気がする・・・・・・)
家で勉強していたといって半纏を羽織っている時とも。
バイト中といって岡持を持っている時とも。
困った顔をしながらカンフー服に身を包んでいる時とも。
そのどれとも違う。
これまでに見たこともない、彼女の『女』の部分を垣間見た感じだ。
『誘っているのか?』と問うたのは、彼女を離れさす常套句のつもりだった。
そういえば、彼女は顔を真っ赤にして
「そんなことないです!」
「ヒバリさんのバカっ!」
これまでと同じように、そう返すと思っていた。
(なのに、この反応は、なんだ・・・・・・・・・?)
まるで、そう聞いてもらえるのを待っていたかのような。
熱を持った目で僕を見る。
「ヒバリさんはね、あ、こっちのヒバリさんのことですけど、そういうの全然匂わせないんです。私の負担になるから
体が成長するまでは手を出さないって言って。本当に、ずっとその言葉を守ってくれたんです」
「私はそれを『あぁ、私って愛されてるんだな』としか思ってなかった。私が成長さえすればすべて解決することだと思ってました」
「ようやくヒバリさんに愛されて、私は幸せでした。沢山触れて貰って、もっと愛されていると実感して、すごく、幸せでした。でも、ある時思ったんです」
「私はこの幸せを10年も貴方に我慢させてしまったんだって」
彼女の白い手が、ズボンの上から雄に手を掛けた。
刺激に息が詰まる。
身体の奥から込みあがるモノをやり過ごすため、己の手を噛む。
加減を忘れて噛んでしまい、口の中に血の味が広がった。
「だめですよ、そんなことしちゃ」
彼女は僕の腕を引き代わりに傷口に舌を這わせる。
「ヒバリさんは、私相手に遠慮することはないんです。この身体は、貴方が守ってくれた身体。小さい私にぶつけられない欲を、私にぶつけていいんです」
ぴちゃぴちゃ、と。
淫猥な水音が耳につく。
言葉を漏らす度に手に吹きかかる吐息は熱いのに、ゾクゾクする。
「私はもう、貴方を受け入れられますよ?」
膝の上に座っていた身体の位置をずらす。
もっと、前に。
僕の、足の付け根あたりに。
張りつめる雄の形が、彼女のスカートの中に閉じこめられる。
「ね?ヒバリさん・・・・・・」
ゆっくり、擦りつけるかのように腰を動かす彼女。
布越しとはいえ過剰過ぎる刺激にめまいすらした。
「貴方が私を愛してくれたように、今度は私が貴方を愛してあげます」
そういった直後、彼女の身体は再度煙に包まれる。
ようやく長い長い5分が経過してくれたらしい。
己の中の猛る感情を吐き出すためと、安堵の思いから、深く息を吐く。
(・・・・・・10年後の彼女には近づかないでおこう・・・・・・)
彼女は明らかに魅力的だ。
出来ることなら触れたい。
代わりに、一度知れば離せなくなる気もする。
たった5分の逢瀬では満足できなくなって、結果幼い彼女を傷つけることになるかもしれない。
知らないモノは我慢できても。
一度覚えた快楽をそう簡単には抑えられない。
「ヒバリサン、ダイジョブ?カオイロ、ワルイ」
未来から戻った彼女が、心配そうに僕を見上げる。
「大丈夫、だよ。ピン」
大丈夫。
大丈夫なはずだ。
10年後の僕が出来たことを、僕が出来ないわけがない。
それでも、脳裏によぎる。
煙に包まれる直前に彼女が言った一言。
『──私が貴方を愛してあげます』
いつまでも少女だと思っていた彼女の表情は。
紛れもなく女だった。
Temptress
1月18日のピンヒバの日に寄せて。
ヒバリに迫るピンを頑張ってみた。
ピン攻めってこんなんでいいのかな?
うーんわからん。
さて、ヒバリはイーピンの色仕掛けから10年逃げ仰せることが出来るのか・・・・・・・・・!
答えは神のみぞ知る!!ってかんじで。
ピンヒバもヒバピンもどっちも美味いぜmgmg
20120/01/18
※こちらの背景は
ミントblue/あおい 様
よりお借りしています。