年齢逆転パロですよ! これは雲雀17歳(高2)、イーピン26歳(院1)のお話になります。
苦手な人はUターンしてください。

おkな方はスクロールでおすすみください。↓↓↓













































しっとりと濡れた髪の毛を乾いたタオルで拭いながら部屋に戻る。
ポタポタと髪先から落ちる滴が床を濡らしたが、どうせすぐに乾くだろう。
見て見ぬ振りをして冷蔵庫の扉を開けた。
ひんやりとした冷気が火照った体を冷やしてくれる。

「きもちい〜」

しかし、いつまでもこうしているわけにもいかない。
やるべきことが待っているのだ。
缶ビール一本を取り出して、行儀悪く足で冷蔵庫の戸を閉めた。

数歩でたどり着くリビング兼寝室の、つまりはこの家唯一の居住スペース。
ベッドと机とパソコン。
それから壁際に大量に積み上げられた本とかプリント類の山。
明らかにこの部屋の中でもっともスペースを食っているそいつを無視すれば、実に殺風景な部屋。
四半世紀を越えた女の部屋としては大分色気に欠ける部屋だ。
ベッドの端に腰を掛け、スリープ状態のパソコンを立ち上げる。
十数秒でパソコンは臨戦態勢で私を迎えた。

「さ〜ってと」

短い爪をプルタブに引っかける。
カシュッ、と軽い音を上げてたやすく開いた。
しっかりと冷やされたビールを、グビリ音を立てて一口流し込む。
五臓六腑に染み渡るとはよく言ったものだ。
水とは違い、細胞の一つ一つに浸透していくような爽快感さえあった。

「とりあえず、今度の講義用のレジュメ作って・・・・・・」

ベッドから一段降りた床の上に腰を下ろし、キーボードを叩き始める。
カタカタカタ。
淀み無く脳内に浮かんだ言葉を羅列させていく。

「・・・・・・何それ」

突然。
背中に体温が触れる。
緩慢な動作で、のし掛かるように背中に覆い被さった。
それに対して、私はこれといって驚くこともせずに画面を凝視したまま答える。

「今度担当分の講義資料」
「ふーん・・・・・・」
「ヒバリ君、寝てたんじゃないの?」
「パソコンの音がうるさくて目が覚めた」
「普通にキーパッド叩いてるだけなんだけどな」
「うるさいものはうるさいんだよ」

言葉とは裏腹に、腹を立てた様子も無く、ことさら体をすり寄せた。
ベッド下に腰を下ろしている私に対し、ベッドの端に腰掛けているのか頭部がちょうど私の肩の上に収まっている。
寝起き特有の、加えれば子供特有の体温のためか、ホカホカと暖かい。
シャワー後の薄着とビールによって冷やされた体にちょうどいい温もりだ。

(ま、子供といってももう17歳か。微妙なお年頃ね)

「体冷たいよ」
「ヒバリ君はあったかいね。きもちいい」
「上着くらい着なよ」
「だってお風呂上がりって暑いんだもん」
「もう11月だよ。いい加減タンクトップ一枚はやめるべきじゃない。人としてというか、女として」
「目の毒?」

なんて、嘯く。
自分で言っておいて、自分で笑ってしまう。
残念ながらどう見積もっても貧相な私の体。
自分で期待するほど成長してくれなかった薄い胸は、密かにコンプレックスだ。

「毒に決まってる」
「・・・・・・」

まぁ・・・・・・、世の中そういうのが好きという奇特な人も居るわけで。

「僕だって男だから。結構、いろいろ我慢してるんだけど。寝起きで頭ぼーっとしてるから、手、出してないだけ」

抱き抱えるようにお腹の上あたりに回されていた手が、明確な意図を持ってタンクトップの裾をすりあげる。
ぬくぬくとした手が、直接肌に触れじんわり温もりが広がる。
っと、これ以上はよろしくない。

「・・・・・・さいですか」

スルリ、猫のしなやかさを思わせる身のこなしで彼の緩やかな拘束を脱し、ベッド隅に丸まっていたルームウェアに袖を通した。

「これでいい?」

あからさまにがっかりした様子で。
先ほどより幾分しっかりとした声で。

「・・・・・・・・・言うんじゃなかった」

自分の紳士な態度に落胆して見せた。

「どっちよ」
「言わずに視姦しておけばよかった」
「高校生が視姦とか言わないの」
「そんなこというなら、もう少し男子高校生の性欲ってものを考慮して欲しいね」
「勝手な主張されても・・・・・・」

ここ、私の家なのに。
自宅でくらい、開けっぴろげに生活したいじゃない。

あくびを噛み殺しながら彼が立ち上がる。
部屋唯一の扉の方に向かって足を踏み出す。

「帰る?」
「まさか」

扉のすぐそばに投げ置かれたバッグに手を伸ばしただけだった。

「明日学校休みだから、泊まっていいでしょ」

確かに、学校帰りにしては大きな荷物だ。
はじめからそのつもりの準備なのだろう。
今更怒って追い出そう、なんて思わないけど気は進まない。

「・・・・・・未成年の分際で無断外泊とは。感心しませんね?」

元の位置に腰を降ろしつつ、背中に投げかける。
バッグの中身を漁りながら振り返りもしないで彼は答えた。

「置き手紙くらいはしてきたよ。しないとイーピンがうるさいから」
「当たり前でしょ。子供がどこにいるかわからなきゃ心配するじゃない」
「心配なんて、しないと思うけどね」
「心配していないように見せかけてるだけよ。大人ってそーゆーものなの」
「どうだか」

やや諦めたような口調。
何を諦めたのかは、定かでないが。

一呼吸おいて彼が振り返る。
四角い箱を手に持って。

「食べる?」

差し出したのは細長いビスケットにチョコレートをコーティングしたお菓子。

「珍しい。ヒバリ君がそんなお菓子食べるなんて」
「致命的は判断ミスしたから、脳の活性化のために糖分摂取」
「それも・・・・・・どうなのかなぁ・・・・・・」

行動そのものは間違っていないのに、行動原理は間違えている。
そんな感じがした。

「ん」

差し出されたから、素直に口を開く。
端っこをくわえて手を使わずに食べる。
行儀が悪いと言う無かれ。
パソコンをいじるのに、手が油で汚れるのは嫌なのだ。
口に残ったチョコレートの甘い味とビスケットのもさもさ感をビールで流し込む。

「う〜ん。やっぱビールにはあんまり合わないかなー」

ビールのお供には甘味より塩っ気の方が欲しくなる。

「じゃこっちあげるよ」

アルミ袋を投げて寄越す。

「サラダ味の奴。それなら合うでしょ?」
「・・・・・・何で今日はこんなにお菓子持ってるの?」
「貰いもの。今日はこーゆー棒状のお菓子の日なんだってさ」
「ふーん」

日本にはいろんな不思議な日があるものだ。
来日してそれなりの年数は経っているが、こうしたイベント事はほとんど知らない。
世界的にも有名なシーズンイベントならともかく、一企業が独自に語呂合わせで取り決めたイベントなど知る由もなかった。

受け取ったアルミの袋をペリッと開封。
先ほどのものと形状がよく似た、細長いビスケット。
大きな違いと言えば今回のはチョコレートのコーティングが無く、全体に香味のパウダーが降りかかっていることだ。

「あ・・・・・・」
「何?」
「手、汚れちゃうなーって・・・・・・」

見れば見るほど手に油汚れの付きそうなお菓子。
これなら先ほどのチョコレートコーティングの方が幾分ましだ。

「それは暗に『食べさせろ』と言ってるわけ?」
「やっ!そんなわけじゃ・・・・・・」
「仕方ないね」

私の手の中のそれを袋ごと取り上げ、先ほどとは違いベッド下に並んで座った。
中身を一本取り出し、口元に差し出される。

(ほんとに、そんなつもりじゃなかったんだけどな・・・・・・)

とはいえ出されてしまったものを突き返すのは性分に合わない。
先ほど同様、唇で端っこを噛んで受け取った。
程良い塩っ気は、確かにチョコレートよりもビールに合っている。

「美味しい。・・・・・・けど、こんな時間に食べたら太りそう・・・・・・」
「酒飲んどいてよく言う」
「アルコール単体ではあんまり関係ないもん。一緒に食べるおつまみが太る元になるの。油ものとか味の濃いやつ食べたくなるから」
「ふーん」
「あ、信じてないでしょ?」
「そんなことないよ」
「ホントなんだから!ヒバリ君も10年経ったら思い知るといいわ!!」
「お酒に興味ないし」

直前、指先に付いた香味料を舐め取っていたせいだろうか。

「酔うのは、君にだけで十分」

首を伸ばして触れてきた唇は、しょっぱい。

「・・・・・・ヒバリ君て・・・・・・」

結構恥ずかしいこと平気で口にするのよね、と。

言おうとしてやめた。
代わりに、唇に残る塩分をビールで流す。

アルコールが原因ではない頬の紅潮を自覚して、なおさら恥ずかしくなった。






きみよい






キーボードをカタカタ言わせていたら、彼が体をコテンと預けてきた。
あぐらを掻いていた足のところに頭を乗せてお腹のところに手を回す。
にじりよって勝手に人のお腹に頭を埋めていた。
邪魔かどうかと言われれば、それは間違いなく邪魔だ。
彼がちょっと動くだけでもこそばゆい。
だからといって相手をするのも時間を取られるので基本は放っておいていたのだけれど。

「太るの嫌なら、今から二人で運動しようか?」

ねっとりと、淫猥なニュアンスを絡めてそう言ってくるから反応しないわけにもいかなくなる。

「・・・・・・しません」
「遠慮しなくていいから」
「・・・・・・丁重にお断りします」
「イーピンに酔ったこの熱をどうしてくれるのさ」
「・・・・・・っ!?」

服をたくし上げ、腹部を甘噛みされる。
触れた熱い粘膜に、体が跳ねた。
ようやくのことでキーボードから手を離し、凝視していた画面から視線を外した。
自分の足の上というか、お腹に乗せられた顔をのぞき込む。

「・・・・・・どうしろと言われても・・・・・・」
「僕が何しても止めなかったイーピンのせいでこうなったんだから、君が相手するのが筋ってもんでしょ?」
「え〜・・・・・・」
「ちゃんと責任取ってよね」

まだレジュメ作りはほとんど終わってない。
今日中に終わらせないといけないってわけじゃないけどあまり先延ばしにしたくないのも事実だ。
それに、果たして本当に私のせいなのだろうか?
疑問である。

「・・・・・・イーピンが相手してくれないなら、君の後ろで君のこと考えながら一人でヌく」

そ・・・・・・それは・・・・・・。

「脳内で君にありとあらゆる恥ずかしいことさせる」

そんなの、どっちにとっての羞恥プレイかわかったもんじゃない。

「それでもいい?」

出るのは、ため息ばかりだ。

「・・・・・・よくない」

私がようやく観念すると、彼は体を起きあがらせて唇を寄せた。
そのまま押し倒そうとする彼を制して、制作途中の文章を途中保存。
数度のクリックで電源を落とした。









遅ればせながらのポッキー&プリッツの日話。

といいつつポッキーの影が薄い。

いっそポッキーなど使わなければ良かったと後悔している。

だが反省はしない!



そして若干そっち方向に話が進みだそうとしている・・・もやもや。

2011/11/18




※こちらの背景は iz/iku 様 よりお借りしています。




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