こちらのお話はヒバピン年齢逆転パロになります。
苦手な方はお戻りください。

また、今回のお話は

16歳高校1年生ヒバリと25歳大学4回生イーピン

のお話になります。


OK!という方はスクロールしてどうぞ!



















































テーブルに広げた色とりどりの紙切れを前に、目をぱちくりさせた。

「・・・・・・なに?これ」

まるで得体の知れないものを見るかのように、角度を変えてまじまじと見る。
そんな真剣に見るようなものでは無いのだけれど・・・・・・。
こんなものが彼女にとっては珍しいのだろうか?

「七夕だよ。それの短冊」
「タナバタ・・・・・・タンザク・・・・・・」
「・・・・・・知らないの?」
「聞いたことはあるけど、実際見るのは初めて・・・・・・かな?」

来日以来勉学とバイトに勤しんでいた彼女だ。
日本で行われている数々の行事とは無縁で過ごしてきたのだろう。
だが、七夕は元々日本のものでは無かったはずだ。

「起源は中国でしょ?」
「う〜ん・・・・・・そう言われればそうなんだけど・・・・・・日本のは原型を留めていないお祭り化されたものでしょう?向こうのとは意味合いも形式も違うから参考にはならないかなぁ」
「そうなんだ」
「日本では・・・・・・自分のお願い事を書くんだっけ?」

自分にとっては今更意味など持たないお遊びだったが、初めての彼女は楽しめるかもしれない。

「それ、イーピンにあげるよ。僕はいらないし」
「いいの?」
「たまたま歩いてたら押しつけられただけだし」
「こういうの嫌いそうだもんね。ヒバリ君は」

彼女がクスリと笑う。

「今時大人で本気にする人もいないけどね」
「こーゆーのは、まずは信じることが大事なんです!」
「そーだね。イーピンさんはお子さまだもんね」
「・・・・・・人のことを小馬鹿にするのはやめなさい!」
「小馬鹿にじゃないよ。バカにしたの」
「もっと悪いわよっ!」

怒った彼女を軽く無視して、テーブルに散らばった短冊を一枚摘み上げた。

「で?何か願いたいことでもあるわけ?」
「君がもう少し可愛気のある子供になってくれることとか?」
「書くだけ無意味だね」
「自分で言い切らないでよ」
「・・・・・・僕が人に指図されてどうこうするような人間に見える?」
「・・・・・・見えないけど・・・・・・」
「なら、無駄でしょ。はい却下」
「・・・・・・なーんで私のお願い事をヒバリ君に却下されるのかな・・・・・・?」

憮然としない表情で「なんだかなー」なんて言いながら唇を尖らせた。
未だにこの人が自分よりも年上だなんて信じられない時がある。
自分なんかよりよっぽど子供っぽいし、威厳がない。

「じゃぁまぁ・・・・・・こんなところかな?」

さらさらと紙の上でペンを滑らせる。
ちょっと満足そうな顔までしている。

「なんて書いたの?」
「んー?ヒバリ君が楽しい学校生活をおくれますように、って」
「・・・・・・なんで?」

なのに、この人はやっぱり大人なんだと実感する時がある。
自分よりもずっと子供っぽくて。
ずっと抜けているようで。
でも、やっぱり大人なんだ。
周りを省みれない餓鬼じゃない。
バカみたいに自分の欲求を吐き出すような、そんな愚かさを理性で止められる、大人なんだ。

「なんで、って・・・・・・だってヒバリ君、高校行き始めてからなんだか元気無いでしょ?学校面白くないのかなって思って・・・・・・」

人のことよりも、自分のことを願えばいいのに。
彼女の生活が厳しいことは知っている。
勉学とバイトに忙殺される日々を送っていることは知っている。
願いたいことなんて、山ほどあるだろうに。
どうして他人なんかを優先するんだ。

「・・・・・・ばっかじゃないの」

なんで、自分は子供なんだろう。
彼女を助けてあげられるだけの力を持っていないのだろう。

「ヒバリ君?」

どうして。

どうして、彼女はそんな自分を責めないんだろう。

こうやって言葉もなくすがりつくことしかできない自分を。

きっと重荷にしかなっていない。

そうだとわかっていて、どうすることも出来ない。

自分で反吐が出るくらい、餓鬼な自分が嫌になる。

「え?え?どうしたの?ホントに学校で何かあった?」

肩口に頭を埋めた僕に、彼女が心配そうな声を上げた。
人の心配をしている場合なのかと言ってやりたくなる。

「・・・・・・何もないよ」

何もない。
なさすぎて嫌になる。
彼女を助ける経験も知識も、僕には無いのだ。

あぁ。

だから。

だから人は祈るのか。

どうにもならないから、誰かに託したくなるのか。

ならば、どうか。

(どうか、彼女の助けになれるだけの力が欲しい──)

生まれて初めて、僕は不確かなものに心から願った。





僕が願う、唯一の





ヒバピン年齢逆転パロでした。

イーピンがヒバリに対してタメ口聞いてるってなんか書いてて違和感あるかなー?

でも年下に敬語とかだと通常版と書き分けできないしねー。

年齢逆転パロはメンタル的に弱いヒバリさんが主体の話になるのかな?

書いてる本人がきくなって話ですけどね!

なんかノリだけで書いたので突っ込みは無しの方向でお願いします!!

2011/07/07




※こちらの背景は RAINBOW/椿 春吉 様 よりお借りしています。




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