二月三日です。
つまり
「節分です」
「・・・・・・あぁ・・・・・」
相槌を打つ太子は酷く顔がこわばっているようにも見えた。
しかしそんな些細なことを僕は今更気にしない。
「節分といえば」
「・・・・・豆まきと恵方巻・・・・・・ついでにいわしの頭・・・・・」
その他もろもろ地方によって違いはあるだろうが、まぁスタンダードなのはこの3つくらいだろう。
ていうかまさに今僕が持っているものそのまま。
間違いようもなかったかもしれない。
これは今日のためにわざわざ用意したもの。
やっぱりイベントごとってしっかり楽しんでおかないとね。
「・・・・・・・・・・」
「なんですかその不審そうな目は」
「・・・・だって、なんか妹子ニヤニヤしててなんかキモイ・・・・」
「人のこと見てキモイとか言うんじゃありません!!」
「いりまめっ!」
ついうっかりいつもの調子でほっぺた叩いたら面白いくらい縦回転して地面に転がった。
なんで頬を横に叩いたのに縦回転できるんだこのおっさんは。
この人の身体構造はきっと常人とは違っているに違いない。
とにもかくにも地面に突っ伏した太子は叩かれていない方のほっぺたを押えて、瞳には涙を溜めて僕を仰ぎ見る。
必然的に上目遣い。
正直・・・・・ちょっとやばい。
「・・・・・・もうなんか説明するのとか面倒くさいんで、早速豆貰いますね」
「ってなんで私の服に手を掛けるんだよ!?」
「だから、『豆』貰うんですよ」
抵抗する太子を無視してジャージのチャックを一気に引き下す。
朝廷で絶大な不人気を誇るこのジャージだが、こういう時の脱がしやすさははっきり言って類を見ないほど。
太子もたまにはいいものを作るもんだ。
ジャージの下はもちろん素肌。
偏食の賜物、がりがりの身体が姿を現す。
「まずは一粒」
「ひゃぁぅぁぅぁぁっっぅっ!!」
かり、と胸の突起に歯を立てる。
太子の体が跳ねた。
「な、な、な、あ、な、な、何すんだよエロ芋っ!」
「なにって・・・・・まずは年の数だけ太子の豆を貰おうかと」
「しれっというな!」
「ねっちょり言えばいいんですか?」
「そういう問題じゃ・・・・・」
「・・・・本当は純粋に節分を楽しもうかと思って用意してきたんですけど、上目遣いの太子見たら予想外に興奮してきたんで予定変更して太子の胸についてるその小豆を食べたくなったんです。ダメです?」
キスしながら、太子に問う。
返事は無い。
何か言いたげに口をもごもごとさせるばかりだ。
ダメですか?
もう一度、聞く。
あまり得意ではないけれど、甘えるような、そんな表情で抱きしめて髪を優しく梳く。
太子のことが欲しくて堪らないんです。愛しくって堪らないんです
「・・・・おまっ!・・・・・・・・その顔は卑怯だろ・・・・・・・」
「それって、OKってことですよね」
ニッコリ、有無を言わせぬ笑顔。
「・・・・・・・・うっ・・・・・・」
「太子?」
「・・・・・・・・・痛くするなよ・・・・・」
「わかってます」
「ふぁっ!!」
「15粒目・・・・・16粒目・・・・・」
「あっ!・・・・・・あ・・・・あ、んっっ!いも・・・いもこ・・・・!!」
「どうしたんですか?」
「ん・・・・や・・、舐めながらしゃべるな・・・・」
「美味しそうに腫らしてる太子が悪いんですよ」
「ひやぁっっ」
「で?」
「・・・・・・・ん・・・・・・あと、いくつ食べるの・・・・・?」
「・・・・あ〜〜〜・・・・・・・・」
そういえばノリでこんな感じになってしまったけど一つ重大なことを忘れていた。
「僕って何歳なんですかね?」
「私が知るかっ!?」
「じゃぁ満足するまでってことで」
「・・・・・どれ位したら満足するんだよ・・・・?」
「さぁ?後1時間くらい?」
「ちょっと!そんなにしたら私のブリリアントなびーちくとれちゃうよ!?」
「仕方ないなぁ」
あんたが嫌だっていうなら仕方ない。
僕だって無理強いしたいわけじゃないし。
「太子、ちょっと膝立ちしてください」
「?こう?」
「えぇ」
僕のお願いに素直に従ってくれるあたり決して嫌がっているわけじゃないんだよな。きっと。
ジャージの下に手を掛けて躊躇せずに引き下げる。
ノーパン主義の太子だけあって、ジャージを下せばムスコが顔を見せる。
既に若干の角度を持ったムスコが。
「やっ・・・・・恥ずかし・・・・・」
「僕に見られてることが?それとも、こんな風に感じてることが?」
「・・・・・・どっちも・・・・・・」
「可愛いですね」
「・・・・・それは私が?それとも、私のムスコが?」
「どっちもです、っていたら怒ります?」
「ひぁっ!!・・・ちょ、お前いきなり咥えるな・・・・・っぅっ」
口の中で徐々に硬くなっていくのがわかる。
裏筋に舌を這わせれば高い声が漏れ出るのを抑えようともしなかった。
鈴口からは先走りの液がとろとろと溢れ出し始め、体が細かく震えている。
腰が抜けそうになっているのを僕の頭を掴むことで何とか堪えていた。
「や!や!・・・いも・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「んんっ・・・・・ソコ!・・・・ソコ、きもち・・・い・・・・あ、あ、・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「やだ・・・・妹子・・・・なんか言って・・・・・んぁっ・・・!」
「・・・・・・・・・・」
「いも・・・・・・ん・・・・・あぁっ、あ、ん・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
僕は何も言わずに太子を愛撫し続ける。
相変わらず感度のいい体だ。
すっかり勃ち上がったものを喉の奥まで飲み込みストロークを繰り返せば、あ、あ、と声の間隔が徐々に短くなり
「ダメ・・・・・・も・・・・・・イっちゃいそ・・・・・・」
「ん」
「あっ・・・・あ、あ、あぁっっっ!!!」
追い詰めた興奮は最高潮となり、びくんびくん、体が跳ねる。
そして僕の口内に吐き出される精の液。
「っ・・・・・は・・・・あ・・・・・」
「気持ちよかったですか?」
「う・・・・・うん・・・・・」
顔を真っ赤にして小さく頷いた。
反応がいちいち可愛いから困る。
でもな、と言葉を続けて、もじもじ体を擦りあわせる。
「でも、何も言ってくれないから・・・・ちょっと怖かった・・・・・」
「すみません」
抱き寄せて何度も何度もキスをする。
唇に、頬に、瞼に、鼻先に。
キスをしていない箇所なんて無いんじゃないかってくらい沢山。
「恵方巻食べてる間は言葉を発しちゃいけないのがルールだったので」
「な!?!?」
「でも太子のじゃ細巻くらいかなぁ」
「摂政バカにすんなおいものくせに!」
「そういうことは僕の食べてっから言ってくださいね」
「望むところじゃぁい!!」
太子が自分の軽率な発言に後悔する5分前のことだった。
僕の恵方巻 君のお豆さん
悪かったとは思っている。
だが後悔はしていない。
それにしても頭の悪いタイトルであるww
2010/02/03
※こちらの背景は
NEO-HIMEISM/雪姫 様
よりお借りしています。