小野一週間?




無限に広がる大宇宙!私は泣く子も黙るセクシー摂政、聖徳太子だZO☆今日は日曜日だから妹子と遊ぼうと思って呼び出したのに、アイツ来ないってどういうことだよ!!折角アイツが喜びそうな挿絵付きの手紙を書いてやったって言うのに!!!
むきーーーーっっ!!
摂政が呼んでるんだから3秒くらいで飛んで来いよ!菌類なんだから胞子を風に乗せれば朝飯前だろ!?
あーもーやんになっちゃう!!何してるんだよいもこー!!早くこーいっっ!
あ、そういえば前にもこんな風に芋野郎が来なかった時があったな。思い出すなんて流石☆ワ・タ・シ☆
あの時は確かあいつ有給取って私のことストーカーしてたんだっけ?いくら私の体がナイスボデーだからって盗撮を目論むなんて、やっぱりアイツは毒妹子だな。やはりこの摂政自らの手で、犯罪は痴漢であるということを教えてやらねばならないな。なんせアイツは桃と尻を間違えて欲情する男だからな、多少仕方ないのかも知れないけど。しかし世のため人のため!心を鬼にして、いや鬼は怖すぎて妹子のやつお漏らししてしまうかも知れないからもっと可愛いやつがいいな。ワンちゃん・・・・ワンちゃん・・・・・・うんワンちゃん飼いたい!!白くて、ソロモンみたいなソソロモンがいいなぁ。仕事部屋とかにいたら毎日撫で回すのになぁ。朝から晩までワンちゃんと過ごせるなんてまるで天国!仕事の合間の素敵なひと時が20時間くらいあれば私だって仕事するさ。みんな私を無能のカレー臭いおっさんだって言うけど、本気で仕事させよーってんならワンちゃん一匹や十匹や千匹くらい飼わせんかーいっ!!そうしたらぶりぶり・・・・・あ、違った、もりもり仕事してやるわ!!
・・・・・・そういえば私はあんまり妹子の仕事っぷりを知らないな。私といる時はいつも殴ってばっかりで仕事しているように見えないけど・・・・・。もしかしたらアイツ、いつもいつもいつもいつも私にことを仕事しないグーたら男って言ってるけど、本当に仕事してないのはアイツの方なんじゃないか?
くっそういもこめ〜〜〜!自分のことを棚に上げて摂政を無能呼ばわりしてくれちゃって!!無能なのはお前じゃねーかばーか!!
よぉっしっ!
なら今回は私が有給取って妹子の観察日記をつけてやる。
菌類だから3日もあれば発芽するかな?なら1週間で食べ頃?そうと決まれば早速馬子さんに有給申請出してこよーっと!


「ってことなんで、1週間有給ちょーだい!!」
「君に有給なんてものがあると思っているのか?太子」
「え?無いの!?」
「あるわけ無いだろう」
「何で!?!?妹子に有って私に無いの!?」
「年がら年中仕事もせずにカレー臭を振りまくような人間に有給など必要ないだろう」
「なんて罵倒・・・・・摂っしょんぼり・・・・・」


力の限りうなだれる私をよそに、馬子さんはさっさと行ってしまった。
馬子さんの薄情者!!取って置いたカレー分けてあげないんだから!!

とまぁ、このような経緯が有ったり無かったり。
むしろ夢であって欲しいと思う部分も幾つかあったような気もするが。
有給は貰えなかった。
しかしそんなことで諦める聖徳ギャラクシー太子ではない!
仕方ないので摂政業務、閉店休業中ということにして妹子を観察することにした。


■■■   ■■■

月曜日


ひぃぃん!
妹子のことを朝から観察してやろうと思ってたらぬっちょり寝坊してしまったっ!!
もうすっかりお日様は昇りきって、むしろ落ち始めている!!
こんなぽかぽか陽気なんだもん。
妹子のやつだって仕事なんて放棄してブランコ漕いで遊んでいるかもしれないな。
よっし、確か妹子の仕事部屋はあそこだったな・・・・。
ふふふふふうふうっふふう。
妹子め!まさかこの私に見られているとも露知らず、だらけきった姿を曝すがいい。
その瞬間を摂政のエアーカメラで加齢に・・・・、違った、華麗にすっぱ抜いてやるぜ!!
お、噂をすれば妹子のやつが出てきやがった。
そうか、これから遊びに行くつもりなんだな。

「あ〜〜〜〜!!!!今日は太子の邪魔が入らなかったから仕事がもう終わったよ」

!!?!?!?!?!?!?

「まだこんなに日も高いんだし、ちょっと休憩したら明日の分も手をつけとこうかな」

これまで私に見せたことも無いようなすがすがしい顔で背伸びを一つするとコキ、コキ、と数回首を鳴らした。
何だよアイツ!私が毎日遊びに行ってやってたのが邪魔だって言うのかよ!!
冠位五位の分際で生意気だお前なんて簡易鯉にしてやる!!
隠密観察中だということも忘れて私は隠れていた藪の中から立ち上がろうとした。

そのとき

「妹子さん」
「あ、調子丸君。どうしたんだい?」

突然何の脈絡も無く調子丸が現れた。
危なかったー!!危うく妹子に観察日記のことがばれるとこだった。
珍しくタイミングの調子が良いみたいだな。

「これ、太子からの手紙なんですけど」
「ほげぇぇっぇぇ〜〜〜。アホの太子から?太子からってだけで読みたくないんだけど・・・・・」
「そうはいっても・・・・・」
「今からでもなかったことに出来ない?」

い!も!こ!めぇぇぇ〜〜〜っ!!
私からの手紙に露骨に嫌な顔するってどういうことだよ!!
ていうか私今日は手紙なんて書いてないぞ?何でだ?
あ、アイツ汚物を扱うような手つきで受け取りやがった!なんて地味に傷つくことをしてくれるんだ!!

「・・・・・?調子丸君、これ日付が1週間前なんだけど・・・・・・」
「すみません・・・・・日にち感覚の調子がおかしくって・・・・」
「うわ!昨日呼び出されてたんだ。知らなかった〜。
太子怒ってるだろうな・・・・・・不本意だけど今から謝りに行っておこうかなぁ・・・・・・」

調子丸のやつ!!全然調子良くないじゃないか!
アイツの調子の悪さを見越して1週間も前に手紙託しといたのに!
でも妹子も妹子だ!摂政が呼んでることくらいなんかこう、妹子パワーで受信しろ!!
まぁ素直に謝るって言うのなら許してやらないことも無いけど・・・・

「ビーフ太子は今日から1週間有給取ってるから朝廷に出てきてませんよ」
「は?毎日が有給のような生活をしている太子が輪を掛けて休むってどういうことなの!?」
「さぁ?良くはわかりませんけど、昨日馬子様に直接申し立てたとか」
「あの馬鹿ジャージカレーが・・・・・・・」

良くは聞こえないけどぶつぶつ不穏なことを呟いているのはなんとなくわかる。
妹子の纏う只ならぬ空気を感じ取ったのか、調子丸はそそくさとその場を去っていった。
入れ替わるように別の男が現れる。
気さくな様子で話しかけるところを見ると、どうやら妹子の同僚のようだ。
誰だかわかんないけどお前たち!毒全開の毒妹子に近づいたら3秒くらいで睨み殺されるぞ!!
悪いことは言わないから早く離れるんでおま!!

「小野、今日の仕事終わったんだろ?」
「うん。まぁ」
「ならよ、就業時間になったら皆で飲みにいかねーか?こんなに早く上がれるなんて久しぶりだろ?」
「あ・・・・・・・・・・あ〜〜〜〜ごめんっ!今日はちょっと・・・・・」
「んだよ、今日は厄介モノの太子も顔見せないしお役ごめんだろ?」
「そうなんだけど、都合悪くてさ。また誘ってよ」
「連れねーな。俺たちに隠れて彼女でも作ったか?」
「まさか。そんな時間ないよ」
「だよな。ま、都合悪いんじゃしょーがないな。今度は来いよ!」
「うん。皆に宜しく」

先ほどまでの毒っぷりはどこへ行ったのか、ものすごい爽やかな笑顔で手を振る妹子。
何だよ何だよ!そんな笑顔私にはしてくれたこと無いくせに!!
あんなこと言っておいて、どうせ彼女とかはべらせてウハウハする気なんだろ?このへんた妹子め!
お前なんて冠位59位に格下げしてやる!!
立ち去る同僚が廊下の角を曲がってその後姿が見えなくなったところで、妹子が突然大きなため息をついた。

「・・・・・・・太子が有給ってことは、急に寂しくなって家に駆け込んで来るかもしれないもんな。
夜は家にいてあげないと・・・・・・・・・」


・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


とりあえず冠位を下げることは辞めておいてやることにした。



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火曜日


今日は寝坊することも無く、朝から妹子を観察しちゃうんだぜ!
今日こそアイツの自堕落なアレでソレするところを見てやるんだぜ!!
なんて息巻いて来たんだけど・・・・・・・・

「妹子殿。この資料はどちらに」
「すみません!その辺の隙間に置いといてくださいっ!!」
「小野!さっきの書簡書きあがったか?」
「後5分ください!!!」

ものすごい人数が妹子の仕事部屋を行き来していた。
どいつもドドイツもやたら慌しく山のような書類を抱えている。
ひっきりなしに人が訪れるせいか、普段ならしめているはずの部屋のふすまは開け放たれており、今私のいる藪の中からでも妹子の様子はばっちり見える。
部屋の中は語弊なく、書類で溢れかえっていた。
うず高く積み上げられた書類に囲まれるように、文机に座す妹子の姿。
この部屋に持ち込まれている仕事量は、いくら妹子が優秀だからといって正常だとは流石の私も思えない。
一時のものかと見守っていたが、状況は変わらず、むしろひどくなる一方で。
太陽が一番高くなる頃には部屋に入りきれなかった資料たちが廊下にまで侵出する状態になった。
なんだ妹子のやつ。もしかして今まで溜め込んでた仕事のツケが回ってきたのか?
昨日も仕事終わったとか言っといて実は全然終わってなかったんでないの?

「あれ?太子?」
「あqwせdrftgyふじこ!?・・・・・・・・・・調子丸か、びっくりして心臓が口から出たでおま・・・・・」
「こんなところで何しているんですか?」
「こっちのセリフだよ!何で藪の中からお前が出てくるの!?」
「妹子さんのところに資料を届けるように仰せつかったんですけど・・・・・方向感覚の調子がおかしくって・・・・・」
「・・・・・・・方向感覚とかそういうレベルじゃないだろ・・・・これ・・・・」
「チキン太子こそこんなところで何を?」
「わ、私は別に妹子のことなんて観察したりしてないぞ!?たまたま偶然藪の中でお昼寝したくなって最高の藪を求め歩いたらココに到着したのであって、断じて妹子のことを昨日から観察しているとか無いんだからな!?!?」
「昨日からこんなところにいたんですか?」
「あほか!夜はきちんと法隆ぢに帰ったわっ!!」
「・・・・・そして今日また来たってわけですね」
「・・・・・・・・・・」

なんだか口を開けば開いただけ墓穴を掘っている気がする・・・・・・。
ところでお前が今言ったチキンって、鳥の意味だよな?ビーフに続く肉の意味。
まさかとは思うが・・・・弱虫野郎の意味・・・・・・?
そのへんどうなの?ねぇ?

いやいやそれよりっ!!

「なぁ調子丸。何で今日妹子のところあんなにばたばたしてるの?」
「・・・・・?太子知らないんですか?」

状況を知らない私に調子丸が説明してくれた。
滑舌の調子が悪くなった調子丸から話を聞くのは根気がいったが、そこは一度に10人の話が聞けるらしい摂政のブリリアントなお耳。何とか解読することに成功した。
要約すると、昨晩集団食中毒が発生したらしい。
その者たちが片付けるはずだった明日朝一で上げなければいけない仕事を妹子が請け負っているのだそうだ。

「別に妹子がしなくてもいいじゃん!」
「一応手分けはしているんですが・・・・
『同僚の不始末ですから』ってほとんどは妹子さん自ら買って出ているんです」
「同僚?」
「えぇ。昨日妹子さんも誘われたらしくて、たまたま行かなかったらしいんですけど、行っていれば他人事ではなかったからって」

あいつか。
瞬時に昨日妹子に声を掛けてきた男の顔を頭の中で思い出す。
今度アイツにはなんか面倒くさい仕事でも押し付けてやろう。
妹子を大変な目に合わせた罰だ!とくとくらいやがれ!!

「で?終わりそうなの?」
「正直なんとも・・・・・・急ぎのものだけとはいえ、10人分以上ありますから・・・・」
「そっか・・・・・・調子丸、もういいよ。お前の持ってるソレ、妹子の仕事に必要なんだろ?早く持って行ってやれよ」
「あ!忘れてました」
「忘れてたってお前・・・・・」
「記憶力の調子が悪くて・・・・・・」

調子丸、ソレってただの健忘症じゃ・・・・・。
思ったけど可哀相だったので口には出さないでおいた。
藪から直接妹子の部屋に向かう調子丸。
普段なら『何でそんなところから!?』とオーバーにツッコんでくれる妹子が何の反応も示さない。
ありがとう、と簡潔に礼だけ述べて振り返りもしなかった。
そんなちょっとしたやり取りだけでどんなに忙しいかが伝わってくる。
また別の者がやってくる。
これまた山ほどの書類付きだからいやになっちゃう。
その男が心配そうに声を掛ける。
妹子殿、あまりご無理をなさらないように。我々もお力になります故。
やはり振り返りもせず妹子が答える。
ご心配ありがとうございます。ですが僕は大丈夫ですし、仕事も明日の朝までには必ず終わります。
男は食い下がる。
しかし、この量の仕事をお一人では・・・・。こんな時こそ遊んでばかりいる太子に仕事をさせればいかがです?
男は半分冗談、半分本気でそんな言葉をポロリと漏らす。
ぴくっ、と私が見ている限りでは初めて妹子の動きが止まった。

「今なんと仰いました?」
「は?・・・いや、だからあの馬鹿太子に仕事をさせれば・・・・と・・・・・」

ぐわっっ!!!と効果音が聞こえてきそうな勢いで妹子が振り返る。

「いくら太子が普段仕事をしていないからといって
休暇中にこんなくだらない用事で呼び出すなんてこの僕が許しません!!
この件に関しては僕が責任を持って請け負いますので貴方は余計な口を挟まないでください!!」

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


不覚にも、ときめいてしまった者が若干一名。



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水曜日


妹子の発言に思わず胸をキュンキュンさせてしまった私は徹夜して作った、摂政特製おにぎりにぎりを差し入れしてやることにした。おにぎりにぎりはおにぎりの具におにぎりが入っているという画期的なおにぎりで、おにぎりラバーにはたまらない一品。付け合せに妹子の大好きなツナを添えておく周到っぷり。
きっと妹子のやつ『おひょひょっぽ!』とか叫びながら狂喜乱舞すること間違いなしだな。
しかし私には隠密観察の義務があるから堂々とは渡しにいけない。
いつも同様、まずは藪の中から様子をうかがう。
何かの用で席を外していればチャンスなのだが・・・・・・・

(部屋には・・・・居ないな。周りには・・・・・・・・・)

「おぉぉぉっっ!?!?いぃぃぃいいぃ妹子!?」

廊下でぶっ倒れている妹子を目撃した時はまたしても心臓が飛び出した。
とりあえずいそいそと口に押し込んで、がさごぞ音が立つのを気にする余裕も無く、妹子に駆け寄る。

「妹子?どうしたんだ?誰かに隠しておいたツナ缶取られたのか?それとも『お前のかぁちゃん出イモ』って馬鹿にされたのか?なぁ妹子!なんか答えろよ!」
「・・・・・・・・・・・zzzz・・・・・・zzzzzzzz・・・・・・・」

寝てんのかよ!?
びっくりして損した!

「まぁ徹夜だったんだろうし、仕方ないか・・・・・」

力尽きたように眠る妹子の顔にはうっすらとクマが出来ていた。
きっと昨日一日、ご飯を食べる時間も惜しんで仕事をしていたのだろう。
妹子のお腹はきゅるきゅると切ない音を立てている。
朝日が顔に差込み、まぶしいのか少し眉をしかめるものの疲労が勝っているのか起きる気配は無い。

(仕事、終わったのかな?)

ちょいと部屋を覗き込めば、資料とは別に机にまとめて積み上げられた書簡の山。
多分アレで妹子の担当分は全部なのだろう。
本当にやりやがったよこのお芋。
やっぱスゴイよこいつ。

「お疲れ様」

色素の薄い髪を指で梳く。
さらさらと流れていく感覚が気持ちいい。
きらきら光に反射する茶色が奇麗。
ちっくしょー・・・・・・やっぱかっこいい・・・・。
何度も繰り返していたらくすぐったそうに身体を捩る。

「あ、ごめんな?」

慌てて手を離す。
すると私もあくびが一つ。
そりゃそうだ。おにぎり作るのに徹夜だったんだもの。
すやすや眠る妹子を見てたら眠気が伝染してきた。
あ・・・・・・やばいなこれ・・・・・・本気で寝・・入り・・・・・そ・・・・










うおぉぉおっ!!!
あれ?なに?今私寝てた?寝てた!?てゆか外暗っ!今何時!?僕ゴリラ、ってそんなボケやってる場合じゃないって!え?こんな時間まで誰も起こしてくれなかったの!?マジで?でジマ?
状況がわからずかなりの勢いでテンパる。
ちょっと!妹子のやつ私を起こしてやろうとかそういう優しさはないの!?
折角差し入れ持ってきてやったって言うのになんなのこの仕打ち!
むきききききいぃぃっっぃぃ!!摂政舐めんな!

と、勢いよく立ち上がったところで。
バサリ
毛布がずり落ちる。

・・・・?毛布?こんなもの私掛けて寝てたっけ?
掛けてるはずないよね。差し入れ持ってきてそのまま寝ちゃったんだし。
となるとこれは・・・・・・・
床に落ちた毛布を拾い上げて気づく。
差し入れのおにぎりにぎりがお皿だけ残して奇麗さっぱりなくなっていた。
代わりに、お皿を重しに一枚のメモが置かれている。
目を落とせば、ソレは妹子の筆跡だった。



『太子へ

おにぎりご馳走様でした。
気持ちよさそうに寝ていたので起こさないでおきます。
毛布は僕の仕事部屋に置いておいてください。

P.S カレー作って待ってますので僕の家に来てください。    小野妹子』





大慌てで毛布を片して妹子の家に走ったのは言うまでもないだろう。






「妹子っ!!」
「太子遅かったですね。こんな時間まで寝てたんですか?」
「そうだよ!寝てたよ!寝まくってたよ!!」

悪いかこの野郎!ってぷりぷり怒ってやったら別に悪くないですよって普通に返された。

「今まで寝てたってことは御飯も食べてないんでしょ?カレーできてますよ」
「ホント!?おひょひょっぽ!」
「これでもかっ!てくらいに作っときましたから好きなだけ食べてください」
「カレー天国!!」
「あ、それから」
「なんだ?まだあるのか?」
「僕も明日から有給貰ったんです。今晩は気のすむまで枕投げに付き合ってあげますよ」
「ほんとか!ワンスローだけじゃないやつか!?」
「もちろんです。そして明日はどこかにピクニックでも行きましょうか」
「行く!行きたい!妹子とお出かけしたい!」

・・・・・・・まぁ、起きれればの話ですけど・・・・・・・・・

小さな声で妹子が何かを呟いた。
小さすぎて私のグレートブリテンな耳でもその声は捉えることはできなかった。

「何?なんか言った?」
「いいえ。気にしないでください」

善良な笑みで妹子が答える。

「さ、早く食べましょう」
「おうよ!食べて食べて食べまくってやるぜ!なぁ妹子!」
「なんです?」
「ありがとうな!大好きだぞvv」
「僕もですよ」


私がはにかむと、妹子も嬉しそうに笑ってくれた。
それだけでなんだか凄く幸せな気持ちになった。
きっと終始妹子がニコニコしてたからだと思う。
あ〜〜、こんな日が毎日続いたらいいのになぁ。



■■■   ■■■

木曜日・金曜日


妹子のやつに騙された!!
とてもじゃないけどこんなところには書けないっ!
どうしよう!私もうお嫁にいけない!
妹子のばかばか!!
良くないハッスルは程ほどにしておけ!!
ばかばかばかばかだいすきだこのやろーーっっ!!









・・・・・・・なんだかものすごく無駄に長くなってしまった・・・・・。

太子視点って難しい。

これ全然リクでもらった「太子が見る妹子像」じゃないような。てゆか全然違うでおまんがな!

申し訳なさすぎて地面に頭がめり込む位の土下座してます。

それでも相互記念に【心太】の鳥居こお様に捧げるっていう。

これからも宜しくお願いしますね!!

【block24】 さかきこう 拝

2009/10/01





※こちらの背景は NEO-HIMEISM/雪姫 様 よりお借りしています。




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