※ヤンデル注意報※
この作品は妹子が病んでます。
薄暗い&若干血生臭いです。
細かな描写はないけれど、そういうのが苦手な人はウインドウを今すぐ閉じてください。
見てからの苦情は受け付けませんので戻るなら今ですよ?
OKだぜ☆
望むところだ★
という方はスクロールでずずいとどうぞ!
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むせ返るような血臭。
吐き出すものなど無い胃が、それでも痙攣収縮し吐き気に襲われる。
いや、吐き気を覚えたのは血臭のためなんかじゃない。
醜く血を纏った自分が、おぞましいからだ・・・・・
血雨降りて
返り血を、拭く。
気持ちの悪い感覚が体中にこびりついている。
少しでもそれらを取り払おうと手の甲で拭った。
だが当の昔に朱に染まった手では拭い取ることなんかできるわけも無く。
より一層体に塗りこめるに過ぎなかった。
あぁ、僕は何人この手で葬っただろう。
後何人、僕はこの手で葬るのだろう。
わからない。
わからない。
もう嫌だ。
こんなことはしたくない。
今の今まで生きていた人間を、ただの肉の塊にする行為など誰が好んでするものか。
つい昨日まで笑って愚痴を言い合った同僚を、つい一刻前まで並んで食事を共にした友人を、
なんの躊躇いも無く殺せるものか。
後悔ばかりだ。
懺悔ばかりだ。
己が己を責め立てる。
裏切り者。
人でなし。
人殺し。
横たわる肉塊にはめ込まれたままの水晶体が醜い自分を映す。
光も灯さないソレに、暗い闇に佇む己を見た。
何故こんなことをしているのだろう。
何故しなければいけないんだろう。
こんなことしたくないのに・・・・・
(ならしなければいい)
己が正論を言う。
「・・・・・馬鹿か。しない、なんて出来るわけがない」
自問に対し、自答を吐き捨てる。
なんてつまらない答え。当の昔にわかりきっていた答え。
血溜まりにへたり込む。
服が汚れることなんて構いもしない。
どうせ、捨てるだけだ。
どれだけ汚れようと構いやしない。
「誰かがしなくちゃいけないんだ」
自嘲気味に言う。
僕の言葉を聞く者なんて、聞いてくれる生き物なんて、今はもういないのに。
全部ぜんぶ、僕が殺してしまったのに。
僕の声を聞くのは、僕だけだ。
(ソレがどうして僕でなければいけないんだ)
「別に、僕である必要は無いさ」
(ならどうして)
「・・・・・・消去法だよ」
(何からの?)
「僕のこの手と、守りたいものを、穢したくないものを天秤にかけた。かけるまでも無く答えはわかっていたけどね」
(そこまでして守りたいものって、何?)
「言わせるな。・・・・こんな血にまみれた体であの人を語りたくない」
そんな行為ですら、無垢なあの人を穢してしまう。
そんなこと許されない。
そんなこと許さない。
「文字通り天上人なんだ・・・・・・。そもそも、僕なんかが傍に居ることが・・・・・・」
間違いだとは知っている。
だが口にしたくは無い。
どういう因果か、何とか繋がったものを自分から途切れさせたくは無かった。
(・・・・本末転倒だな・・・・・)
「なにが」
(お前は、その血にまみれた汚らしい手でその人を抱くつもりなのか?)
「・・・・それは・・・・」
(守りたいといったその手で、お前はあの人を汚すのか?)
「・・・・・・・・・・・・」
(結局お前は何も出来ないんだということを思い知れ)
(守れるものなど無い無力さに這い蹲れ)
(思い上がるのも大概にしろ)
(己の醜さに悶え苦しめ)
(糞が)
「わかっているさ!!」
叫ぶ。
自身の心の声に憤る。
それらは全て事実であるからこそ、反論できないからこそ、声を荒げる。
「・・・・・・っ!!!」
感情を叩きつけるように、手に握った短刀を畳に突き立てる。
「・・・・・・・間違いだとか・・・・そんなこと、どうでも良いんだ・・・・・・・。
無力なことくらい僕が一番よく知っている・・・・・。
こんな糞みたいな、カスみたいな僕でも・・・・あの人を守る盾に成れるなら喜んで血を被るまでだ」
覚悟の上の道。
二度と戻れない闇の道。
後ろ指差される、下種な道。
それでも
「あの人のために何かしたかった・・・・・」
「例え二度とあの人に顔向けできないとしても・・・・・」
「あの人を守りたかった・・・・・」
「好きだから・・・・・」
「生きていて欲しいから・・・・・」
「あの人を殺そうとする奴は、全部僕が殺すんだ」
The☆雰囲気の何か
ヤンデル芋、略してヤンモ。
太子を守りたいっていう気持ちと、
そんなことをしても太子が喜ばないって知ってる自分との心の葛藤。
2010/02/09
※こちらの背景は
NEO-HIMEISM/雪姫 様
よりお借りしています。