こちらはク.ワ.ガ.タ.P製作のVOCALOID初音ミクオリジナル曲『パ.ズ.ル』の楽曲を元にイメージした作品となっております。
あくまでも曲を聴いて、そこから自分なりに解釈した赤師弟の世界観を書いています。
曲の解釈を押し付ける目的のものではありません。
一個人の解釈に基づくものであり、『このような捉え方もある』ということを知っていただくことを目的としています。
加えて、ク/ワ/ガ/タ/Pに許可を頂いて製作したものではありません。(ク.ワ.ガ.タ.P様すみません)
勝手な二次創作である旨をご理解ください。
世界観は崩さないように気を配ったつもりですが、
楽曲に対して固定されたイメージを添加されたものは嫌、
勝手な解釈には嫌悪感を抱く、
VOCALOIDはオリジナルしか認めない、
という方は閲覧をお控えいただけますようお願いいたします。
閲覧後の苦情は申し訳ありませんが受け付けません。ご理解のうえで閲覧ください。
注意書きが長くなりましたが、『バッチ恋!』といってくださる方は ↓↓スクロール↓↓ して御進みください。
パズル
いつも、あんたに手を引かれて歩いているばかりの『僕』だった。
それがいつからだろう。
その手を離してあんたの横を、肩を並べて歩けるようになったよ。
代わりに、あんたに投げかける言葉はなくなっていたっけれども・・・・。
『僕』はあんたに言いたいことが山ほどあった。
あんたも、『僕』に言いたいことが海ほどあったと思う。
でも何も言わなかった。
横目にこっそりあんたの顔を盗み見ては、その言葉を飲み込んだ。
そうやって『僕たち』は何一つ伝えることも出来ないままに、長い永い時間を過ごしてきたんだ。
言いたかった。
伝えたかった。
きっと、お互いに何を言いたいかすら分かっていた。
同時に、その言葉は『僕たち』の関係を破綻させるだけのものだって知っていた。
だから『僕たち』は何も言わないことを選んだ。
気づいていたけど、気づいていない振りをした。
バンパイアマウンテンで、あんたが沢山の仲間を失った時、見栄も体裁もかなぐり捨てて泣く姿を見たよ。
その姿に『僕』は『僕の死』を悲しむ家族の姿を思い出した。
「僕にもあんたの気持ちが良くわかるよ」なんて慰めたけど、『僕』は本当のところ何も分かっちゃいなかった。
置いていく悲しみと。
置いていかれる悲しみ。
似ているようでまったくの別物だって、『僕』は知らなかったんだよ。
それを、『僕』はあんたの死に際に嫌というほど思い知らされた。
紅蓮の炎の中であんたは 「すまなかった」 と言った。
違うよ。
そうじゃないよ。
謝るのはあんたじゃないよ。
あんたが気に病むことなんて何も無いのに。
謝らなくちゃいけないのは、何もわかっていなかった『僕』の方なのに。
炎の中に自ら身を投じたあんたに、『僕』は思わず 「ごめん・・・・」 と零した。
ずっと後悔していたよ。
どうして言ってしまったんだろう、って。
『僕たち』の最後は、言うべきではない言葉で終わってしまった。
あぁ、一体どこで間違ってしまったのだろう。
一つ一つ。
一歩一歩。
一緒に作り上げてきた未来が、いつの間にか歪んで、捩れて、いびつな絵図になってしまったね。
正しいパーツをどこかに無くしてしまったように、ぽっかりと穴が開いてしまったんだ。
その穴を埋めるピースは、どこにあるの・・・・・・?
悲しみが生んだ邪悪な心が、少しづつ『僕』の心を支配していく。
あんたの言葉を守れないまま、『僕』は『僕』を見失っていく。
『僕たち』の中のぽっかりと開いた空白を、黒が塗りつぶしていく。
それはなんて悲しいことだろう。
『僕』もあんたも、そんな結末を望んでいないのに、どうすることも出来ないなんて・・・・・
僕は何も出来ないことへの無力さに打ちのめされながら
それでも『僕』の記憶を辿るため
僕は『僕』の日記をまた一ページ、めくる。
思い出すよ、あんたと過ごした日々のことを。
確かにバンパイアとしての生活は決して楽なものではなかった。
生と死のぎりぎりのところで生きる毎日。
張り詰めた緊張感を保ちながら、それでも―――
『僕たち』は笑っていた。
笑っていた。
今の僕は、あんたの知っている『僕』じゃない。
だけれど僕はあんたのことを知ってしまった。
『僕』と同じように、あんたの隣に立っていたいと思った。
だから想像してみた。
『僕』じゃなくて、僕があんたの隣にいる未来を。
何でかな?どうしてなか?
僕は『僕』なのに、どうやってもすっきり当てはまらないよ。
形の違うピースを無理やり押し込んでいるみたいだ。
痛いよ。
苦しいよ。
あんたの隣に立つことは、あんたを苦しめることにしかならないなんて。
寂しいと思う心も
悲しいと思う心も
全部まとめて、『僕』の日記に綴ってみたよ。
空白だった残りのページが全部埋まった時
『僕』とあんたの物語が書きあがった。
多分、『僕』があんたに言いたかった本当の言葉を書き記しておいた。
そんなものを書いたって虚しいだけだと人は言うかもしれない。
でも、僕はこれで良いと思うんだ。
『僕』とあんたの物語が確かにあったのは、真実なのだから。
さぁ、探そう。
今度は、僕とあんたの物語を。
たとえ。
たとえ、あんたの隣に、僕は立てなくてもいいから。
大丈夫だよ。
寂しくないよ。
悲しくないよ。
だって、僕はちゃんと覚えているから。
笑いあって、寄り添った日々の『記憶』が確かにこの中には残っているから。
だから、僕は大丈夫だよ。
僕は、『僕』とあんたのことを、ずっと、ずっと覚えているから。
だから
おやすみ
さよなら
―――ありがとう
無くしたピースはここにあったよ
ク.ワ.ガ.タ.Pの「パ.ズ.ル」配信日決定記念に勝手に妄想。
初めてこの曲を聴いたときから自分的赤師弟ソング、正確には12巻終了後ダレンソングに認定。
歌詞のどの部分をとっても赤師弟にしか聞こえなくなるレベルまで聞き込みました。
特にラストのサビは思い出すだけで号泣する域。
『例え同じ風景にいられなくても』という歌詞がダレンとシンクロしました。
うぅ・・・・かなしすぎる・・・・・
だけれども、そういう未来を選択したダレンはきっといると思うのです。
そんな一解釈のお話でした。
最後になりましたが、6月9日配信決定おめでとうございます!!
2010/06/06
※こちらの背景は
clef/ななかまど 様
よりお借りしています。